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授業クラス環境における盲ろう学生への情報保障システム

このシステムは,さまざまな障害レベルの視覚障害者が複数名在籍する教室環境において,盲ろう学生へリアルタイムな情報保障を支援することを目的として構築しました.

リアルタイム性の追求には,未だ様々な課題が山積していますが,使用者の意見などを踏まえて,スパイラルモデルによる開発を進めていきます.

盲ろう学生用情報保障システムのネットワーク構成を示した図

盲ろう学生用情報保障システムのネットワーク構成図

上図は,現在開発したシステムのネットワーク接続の概要を示したものです.このシステムでは,従来から聴覚障害者向けに活用されている要約筆記の字幕提供システムIPTalkから送信される字幕文字情報を独自開発したリレーサーバで中継し,盲ろう学生が必要とする情報に焦点を絞って点字出力制御を行います.教師クライアントでは,盲ろう学生が読んでいる文章の位置をリアルタイムで確認できます.これにより,教師は,盲ろう学生の情報獲得の状況をリアルタイムで確認しつつ,授業のペースや話す速度などを調整することができます.

下図は,システムの動作状態のデモを示した図です.この図では,左側が盲ろう学生が使用する学生モードで起動したクライアント,右側のノート型PCが教師用モードで起動したクライアントになっています.教師用クライアントの赤色の部分は,学生の点字ディスプレイに表示している字幕文字データの位置を示しており,学生が点字ディスプレイを操作して,表示する文字を切り替えるとほぼ遅延を生じることなく,教師用のクライアントに表示反映されます.

盲ろう学生用のコミュニケーションシステムデモ動画

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