学校卒業後の青年期障害者のキャリア発達支援事業(文部科学省委託事業)

視覚障害系事業の概要について

本事業では、以下の項目を実施した。
・就労上の困難状況やニーズに関する調査
・キャリアアップ講座の実施(オンライン時代のコミュニケーションの取り方)

1.ニーズ調査について

 全般概要として、就労上のスキルアップやキャリアアップに資するものとして、アクセシビリティに関する技術一般、専門資格取得講座、外国語を含むコミュニケーション力、コンピュータ操作リテラシーなどのニーズが高い傾向がありました。
 特に、特徴的な点として、視覚障害状況(見え方は個々に異なる。)による差よりも職業による差によるものが多く観察され、職業別にコースを用意することが望ましいことが分かりました。
全般的にニーズ傾向をまとめますと、およそ以下の項目がニーズとしてあげられます。
・当然ながら、業務に直結するスキルに関するもの
・障害状況の差より職業による違いの差が顕著であり、職業別に教育コースを用意するのが望ましい。
・情報技術に関すること。(情報技術が当事者の主たる情報獲得手段となっていると見られます。)
・仕事に直結するコミュニケーション能力(これは広く一般のニーズと同等)
これらの能力を向上させる必要性を感じている傾向が多く統計的解析から見られました。
その他、このニーズ調査の詳細な分析については、CSUN2021にて報告し、論文にまとめております。論文原稿は、オープンアクセスできる予定となっており、Journal on Technology & Persons with Disabilities, vol. 9, 2021.に論文掲載される予定です。
(原稿データの閲覧方法等については、CSUN2021のメインWebサイトからアナウンスされる予定です。)

2.キャリアアップ講座について

第1回の講座は、コロナ禍の状況を踏まえて、オンライン時代のコミュニケーションの取り方に焦点を絞って講座を開催しました。開催に当たっては、十分な合理的配慮を行うためNPO法人タートル様の支援を得て開催しております。
以下、講座概要になります。
1.講座内容
テーマ『リモート時代のコミュニケーション』 ~心のソーシャルディスタンス~ 講師:人材育成コンサルタント,心理カウンセラー 岩本好之 氏
2.実施日
2020 年(令和 2 年)11 月 28 日(土) 10:30 12:00
3.実施方法
Zoom オンライン会議システムによる配信およびオンデマンドによる配信
4.配信拠点等 四ツ谷職能開発センター
5. 参加者数 77名
6.調査
終了後にオンラインアンケートの調査を実施しました。調査結果概要は、このページに掲載しております。

オンデマンド配信

この講習会をオンデマンドで配信しております。配信ページへのアクセスは、こちらから。

3.ポイント:オンライン開催の受付方法について

視覚障害者向けのオンラインサービスの提供に関するポイントをまとめておきます。
1.受付方法について
複数の手段を用意しましょう。
・オンラインフォームによる受付
・テキストベース受付(メールなど)
・オンラインフォームによる受付
・テキストベース受付(メールなど)
2.参加方法に関して細かく指示事項を伝える。
・入室時間の指示
・入室時の名前登録ルール
・映像・音声のデフォルト設定の周知
  マイクオン、ビデオオフで設定
  ショートカットキーによる操作方法の周知
・質問受け付け方法の習知
  Zoomの「手を上げる」機能の活用
  発言方法(ショートカットキーによる操作方法を習知)
  代替手段の提供(メール経由での受付と受付メールアドレスの習知)
3.講習会開始前の準備
・参加者名簿との照合
・参加者一人一人をZoom上で確認
4.講習会実施中
・運営パソコンで配信状況をモニター
・個別トラブルに対応できる体制を用意
5.その他
・当事者にしかわかり得ない事項が多く存在するため、オンライン講座開催実績のある当事者団体に相談する。
・コンピュータ操作に一定の習熟が必要になるので、ある程度の制約が発生することを理解されるようにアナウンスしておくことも必要になります。

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