Non Visual Realityの構築

これまでの研究では、視覚障害者に映像などの非言語情報をリアルタイムで共有する方法や作業効率を上げるための方法開発などを中心に進めてきました。
これらの研究の取り組みについては、今後も継続して進めていく予定です。
一方で、こういった研究を進める上で視覚障害者を対象にしたモデルの解明が鍵になりますが、その中で特に映像情報がない世界観のモデル化という大きな課題に直面しています。
そこで、これらの世界観を仮想的に作り出すための取り組みを進めています。
この研究の成果は広い分野で適用されることを期待でき、例えば、映像中心のVR技術に取り入れるとさらに没入感を生み出す新たな方法に展開することもできます。
また、視覚情報に頼ることができない活動への応用や、そもそも高齢化で視力機能が低下する現実を見据えた、高齢者支援の技術にも適用できるかも知れません。
特に、興味深いのは、視覚障害者の一部には周囲環境を的確に捉える能力が優れた人が存在し、そういう人はレーダーのように顔を向けた方向にある障害物などを知覚することができます。
人間は残存機能を最大に活用して、このように驚くような能力を発揮します。障害者のこういった優れた能力を数学的にモデル化することができれば、大変興味深い技術開発につながることになります。
我々の研究室では、そういった大きな目標を設定して、日々、研究に取り組んでいます。

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